知恵の和ノート

2015/04/28

(第60話)意見は違ってもスピード感を合わせる

カテゴリー :業務改善

賛成意見ばかりでも事業が進まないのは脆い会社
反対意見が出ても事業が加速するのが強い会社

意見は違ってもスピード感を合わせる

最近ある会社で今まで一緒に事業をやっていたAさんが、ご家庭の事情もあってそのプロジェクトから外れることになりました。

すると、その後、そのプロジェクトの進捗スピードが一段と加速するようになったのです。

客観的に見ると、今回プロジェクトから外れたAさんは、他のメンバーとはやや視点や感覚が違うように思いました。

同じ課題に取組んでいても、他のメンバーが「面白そう」「なんだかワクワクしますね」という反応を示した時に、Aさんは「やれるかなぁ」「ちょっと緊張します」と少し腰が引けていました。

また、彼以外は「ぜひやろう」とすごく積極的だったのに、一人だけ「それって大丈夫かなぁ」と冷ややかな反応でした。

私は他人と違った意見を持つことはたいへん良いことだと考えています。そして、他人と異なる視点から問題点を指摘することは、バランスを取る上でも大いにやるべきことだと思います。

でも、問題はたとえ意見や考えが違っても、行動を妨げる要因になっていないかどうかということです。

つまり、Aさんのケースで言えば、Aさんの言動がプロジェクトを推進する上で、多様性をもたらすという効果よりも、推進力を弱める影響の方が大きかったのが問題となっていたのです。

そして、Aさんが抜けた後では決めるのも早ければ、いったん決めたことを修正することも頻繁に行われているため、プロジェクトにかなり躍動感が加わった印象を受けています。

会社という組織で仕事をしている場合、全員が同じ方向を向き、同じようなレベルでいればより速く成長します。

一方で、一人でも違った方角を見ている人がいたり、違うレベルの人がいると、どうしても成長の伸びはゆるやかになります。特に少人数で業務を回している場合は一人ひとりの持つ影響力が大きいので、目標を合わせる意識を合わせるレベルを合わせるが揃わないとなかなか事業が前に進んでいきません。

しかし、皆が目指す目標を統一することは簡単なことではないですし、意識を合わせるにも時間がかかります。また、最初から一定のレベル以上の人を集めるのは、中小企業ではなかなかできることではありません。

では、どうすれば良いのか?

この点で参考になったのが、先日講演でお聞きした中華食堂日高屋の創業者である神田会長の話です。

神田会長曰く、「多数決だと誰も責任を取らないし、常識からは外れられない」

つまり、たとえ皆が反対しても、多数決で決めるのではなく、経営者が良いと思ったことはやるということです。

会社の成長のために社員を犠牲にしないという信念の下、最後は自分が責任を取るという覚悟で、業界では非常識と言われる戦略を次々と実行され、今や年商344億円の東証一部上場企業になりました。

会社が成長の途上にある段階においては、一見非常識に思えるような方法であっても、可能性が少しでもある限りやってみる価値は大いにあります

右に向くか、左に向くかを決めるまでは活発に議論すべきです。でも、右が正しいか、左が正しいかは実行してみないと、分からない仮説であることが少なくありません。いったん「右に向く」と決めたら右に行き、右の方向が間違っていると分かったら、躊躇なく左に行く。

一番性質が悪いのは、いつまでも行動しないことです。異なる意見のせいで行動のスピードが落ちていないでしょうか。

多数決を採用しなかった神田会長がもう一つ言っておられたのは、「悪いと分かったことはすぐやめる」でした。

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