知恵の和ノート
目標設定に工夫を凝らして社員の行動を変える(第108話)
目標を達成する時だけ頑張るのは成長が止まる会社
目標を作る時から知恵を絞るのが成長し続ける会社
会社で仕事をする上で切っても切り離せないのが目標。私が銀行に勤めている時も個人定期預金や信用保証協会付き貸出金、住宅ローンなど様々な目標がありました。
期初に目標が発表された時、まず最初に確認するのが、目標を達成するための基準です。同じ住宅ローンの残高という目標であっても、3月の末残か3月の平残ではクリアすべき基準が異なります。
末残という場合、3月31日の残高なので、極端な話、3月31日まではゼロであっても、3月31日だけ目標の数字に行けばOKです。一方で、平残という場合、3月の月中平均残高なので、3月1日から目標に近い、または目標を上回る残高をキープしておかないと、目標が達成できない状況に陥ります。
このため、3月末残なら3月の下旬からでも挽回可能ですが、3月平残なら日数が経つにつれて段々と目標へのハードルが高くなるという訳です。
恐らく、末残ベースの目標だけだと最後だけ帳尻を合わせる社員がどうしても出てくるため、よりごまかしの効かない平残という目標も導入したのではないかと思います。
いずれにせよ、目標の設定の仕方で社員の行動パターンは異なるので、注意が必要です。
- 件数にするのか、金額にするのか
- 売上高ベースか、利益ベースか
- 残高なのか、率なのか
今期の目標達成状況や社員の行動パターンを踏まえて、来期の目標の設定の仕方は同じでよいのかどうかを、ぜひ今一度見直していただければと思います。
ちなみに、収益への貢献度を考えると、末残よりも平残を目標にした方が合理的です。しかし、平残の目標値があまりに高すぎる場合、月初の段階で目標と実績の乖離幅が大きいと目標達成を早めに諦めてしまうという欠点も生まれます。
目標は達成するにも工夫が要りますが、立てる際にも工夫が必要です。皆さんの会社の目標は社員の的確な行動とつながっているでしょうか?
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