知恵の和ノート

2017/07/25

信頼という基盤の上に、間違うという前提を立てる(第177話)

カテゴリー :リスク管理

社員に丸投げして、大きなミスの発見が遅れるのは成長が止まる会社
社員に任せつつ、小さなミスを早めに摘み取るのが成長し続ける会社

信頼という基盤の上に、間違うという前提を立てる

先日家内と映画を見に行った後、お腹が空いていたので、新しくできたうどん屋さんへ。

開業したばかりのお店は店内も綺麗で、店員さんの対応も「いま、かき揚げが揚がったばかりでアツアツですよ」と、さりげなく一声かけるなど、なかなか良い感じです。

お値段の割にはそこそこのお味で、それなりに満足して家に帰ってきました。

そして、何気なくレシートを見てみると、

きつねうどん(大)ときつねうどん(並)

が二つ並んでいます。

実は二人とも、きつねうどん(並)にかき揚げなどのトッピングを注文したのですが、どうやらレジを打つ人が間違えてしまった模様です。

大と並の差は100円。

支払の時に気づけば、防げただけに何とも悔しい感じです(苦笑)。

日本の場合、レストラン等で食事をした際、いざお勘定になって、明細と金額をチェックするようなことはあまりしません。特にある程度のお店になると、「54,000円」というように、合計の金額だけ示されて、注文内容が分からない場合もあります。

これらは、支払う側が「お店の人は金額を間違わない」という前提に立っています。

しかし、以前フィリピンに住んでいた頃、レストランの支払の際、明細と金額をチェックするのは当たり前でした。

これは、日本人だけでなく、現地の人も同じ。かなりのお金持ちの人でも、「Check,please」の後で、注文した内容と間違いないかどうかを必ず確認の上、支払っていたのです。

これは、支払う側が「お店の人は金額を間違うことがある」という前提に立っています。

この違いはどちらが正しくて、どちらが正しくないということではありません。前提条件が違えば、取るべき対処方法も違うということです。

会社の仕事においても、基本となるのは相手に対する信頼です。信頼がなければ、社員に仕事を任せることはできません。

一方で、信頼する相手も間違ったり、ミスを犯したりすることがあります。

それが単純なケアレスミスなのか、故意に起こした間違いなのかによって、対応方法は異なりますが、いずれにせよ、人は間違いを犯すことがあります。また、手作業ではなく、システム化している時でも、誤作動やプログラムミスで、間違いが起こることもあります。

それゆえ、会社の仕事においては、間違いを見つける仕組みを作ることが必要不可欠です。

社員にはできるだけ仕事を任せることで、社員も会社も成長します。しかし、単に任せるだけで、後は知らんぷりでは会社の仕組みとしては不充分です。

特に間違いは放っておくと、たとえ最初は小さくても、そのうち大ごとになることが少なくありません。

相手を信頼することと、間違いを見つける仕組みを作ることは両立できます。

信頼しつつ、小さなうちに間違いをそっと指摘する。

100円の間違いは笑い話で済ませられますが、100万円の間違いは大きな反省材料です。

 

会社の仕組みをしっかり作るには外部の力も有効に活用しましょう。詳しくは「こちら」です。

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