知恵の和ノート

2017/10/31

戦国時代からトップを悩ますのは部下の評価(第191話)

カテゴリー :人事評価

数字で目立つ社員ばかりを称賛するのは成長が止まる会社
数字以外の項目でも社員を評価するのが成長し続ける会社

戦国時代からトップを悩ますのは部下の評価

大河ドラマ「おんな城主直虎」のワンシーン。

織田・徳川方が鉄砲を駆使して武田軍を打ち破った長篠の戦において、各武将の働きをどう評価して、どのように恩賞を与えるかについて、徳川家康が頭を悩ましていました。

戦の武功という点では、家康のいる浜松城の武士が大活躍しました。

一方、家康の嫡男である信康のいる岡崎城の武士たちは、敵の首を何人取ったかという武功では浜松城派にかないません。

しかしながら、今回の勝利は織田信長の援軍が勝利の一因です。そして、強力な援軍が来てくれたのは日頃の岡崎城勢の働きがあったからこそ、です。

悩んでいた家康が後の徳川四天王の一人になる井伊直政に相談したところ、彼は「殿が岡崎勢の働きを認めることが肝要である」旨アドバイスしました。

これを現代の会社に置き換えると、営業と事務の評価につながります。

つまり

  • 営業=浜松城派~武功という目に見える実績をあげた
  • 事務=岡崎城派~日頃の働きで強力な援軍を得られた

です。

「売上で1億円を上げた」「3,000万円の利益を出した」というように、営業の場合は成績が数字で掴めるので、評価もしやすいです。

しかし、事務方の場合、その仕事振りを数字では、なかなか掴めないことがあります。

日頃からお客さんを上手にフォローアップしたことで、そのお客さんが取引を継続していても、その部分は事務の仕事としてはあまり評価されません。また、事務ミスをすれば、トラブルになるのに、ノーミスを続けていても、話題には上らないので、これもプラスの評価としにくいところがあります。

この時、大事なのは、直政のアドバイスではありませんが、経営者は「ちゃんとやっていることを分かっているよ」と社員に伝えることです。

営業と事務は仕事の両輪と言われますが、実際問題として、どうしても、営業の成果に目が行きがちなのはやむをえない側面があります。

しかしながら、会社の仕事の全体の流れからすると、事務方が手続に沿って、ちゃんと事務の仕事をやることで、営業も安心して、お客さんにセールスできるのです。

そこを踏まえて、経営者が社員の動きに目を配れるかどうか

営業がいくら上手に案件を取ってきても、その後の事務処理がいい加減だと、一気に信頼をなくします。

日頃は目立たない社員の裏方の苦労をどのように評価するかは、経営者の度量と裁量次第。

もし、あなたの会社が事務処理で課題が多いとすれば、その根本原因は経営者であるあなたが、事務方の仕事から目を背けているからかもしれません。

お客さんからすれば、営業も事務も関係なし。​​​​​​​会社の仕事を全体としてしっかり捉え、評価にも反映させましょう。

 

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