知恵の和ノート
多様な価値観を持つお客様の期待を超えて売上を伸ばす(第248話)
お客様に「買ってよかった?」という疑問を提示させるのは成長が止まる会社
お客様に「買ってよかった!」という満足を持続させるのが成長し続ける会社
「今年買ったものの中で一番良かったのは?」
という質問があったら、私は迷うことなく、
「本棚です!」
と答えます。
我が家にある本棚は、以前海外に駐在していた時に現地で買ったもの。大きくて立派なのですが、本の大きさと棚の高さの関係で微妙なところがあり、本が増えるにつれて、やや使い勝手の悪いところがありました。
そこで、クライアントさんが新たにインテリア関連の商品の開発を始められたのを知って、特注で本棚を作ってもらったのです。
本のサイズはいろいろ。文庫本と新書本では大きさが異なるのはもちろんのこと、同じ新刊本でも、B6版とA5版では微妙にサイズが違います。
本を買う時には、いちいちサイズまで気にしていません。けれども、最終的に読み終えた本を本棚にしまう時、サイズの違う本が乱雑に並んでいると、見た目としては、あまりきれいではありません。
そこで、今回は発注時点でウチにあった本の在庫から逆算して、
- 一番数の多いB6版がぴったりと収まる棚を一番多くする
- 新書本も少しは収まる形にする
- 雑誌や文庫本は当面は従来の本棚を使用する
ということをベースにしました。
また、本棚も一番下の棚にある本は実際には本の出し入れがしにくいということもあり、一番下のスペースは本棚にせず、別の収納スペースとして活用する形にしてもらいました。
いろいろとワガママを言いましたが、クライアントさんは、こちらの要望をすべて聞いてくれて、ゼロから設計し、たいへん素敵なオリジナルの本棚を作ってくれたのです。
さて、本棚が来てからどんな変化が起きたのか?
そもそも以前は本の数に対して、本棚の数が足りなかったために、クルマの縦列駐車のように本の前に別の本を並べるというのが常態化していました。すると、当然のことですが、「あの本はどこだっけ?」という時にすぐには見つかりません。
しかし、今は自分の分類に従って分かりやすいように本を並べ、しかも、すぐに本が取り出せる状態にあるので、必要な情報へのアクセススピードが格段に上がりました。
一方、メインとして使う本棚が決まったために、優先的に見る本とそうではない本との区別が明確になりました。このため、無駄にアチコチを探すという時間がなくなったような気がします。
今回は本棚という新たな収納スペースを作ったことで、いろいろな情報が整理され、部屋の中も、頭の中もよりスッキリしました。
そして、これは、単に新しい本棚を買ったからだけではなく、我が家の事情に合わせた形でのオリジナルの本棚を作ってもらったことで、収納の核ができたことが大きかったように思います。つまり、従来のように既成の本棚を買って、単に収納スペースを確保しただけでは、ここまで居心地は良くならなったのではと思うのです。
本が増えてきたから、本棚を買って、そこに片づける。
そんな単純な消費活動一つ取っても、そこで感じる思いやそこから得られる満足感は人それぞれ。
スペックが良いのは当たり前。
しかも、できれば御手頃なお値段で買いたいし、多少値がはっても、買った後では、「いい買い物だったよね」と自己満足にも浸りたい・・・。
言葉にして伝えるのは、なかなか難しいのですが、メーカー側の「これがウチのお薦め商品です!」だけではなかなかモノが売れません。
ワガママな要望をすべて叶えてもらい、大満足を感じながらも、「これを商品としてどうやったらより汎用化できるのか」については、私自身もっと研究する必要があると改めて感じています。
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