知恵の和ノート

2019/02/19

管理職の役割の一つは社長の優秀な通訳者(第259話)

カテゴリー :コミュニケーション

社長の意図が管理職を通して異訳して伝わるのは成長が止まる会社、社長の意図が管理職を通して意訳して伝わるのが成長し続ける会社

管理職は社長の意図を翻訳して社員の成長を促せる人

社長にとって理想的な管理職を定義すると、「社長の意図を翻訳して、社員の成長を促せる人」となります。


ある程度、会社が大きくなってくると、社員が直接社長に接するのは、週に1~2回、時には月に1回ということもあるかと思います。このため、社長が朝礼で訓示をしたり、メールで情報発信しても、その内容がその意図通りに社員に伝わるとは限りません。

そこで、ポイントになるが直属の上司である管理職の役目。社長が会議だけでは伝えられなかった発言の真意やその背景を社員の理解度に応じて、噛み砕いて説明する能力が求められます。

この時、多くの管理職は自分なりの解釈を入れて、「この前社長が言ったことは・・・」と解説するのですが、往々にしてその解釈が違っていることがあります。


優秀な通訳者は、本人がしゃべったことをそのまま直訳するのではなく、その発言の中で一番伝えたかったことが伝わるように意訳します。そして、この意訳をするために、通訳者は単に言語能力を磨くだけでなく、業界のことや会社のこと、スピーカーの基本的な思考等を予め調査し、勉強した上で、本番に臨みます。


一方で、会社の管理職の場合。

一般社員よりは社長との接触頻度が高いとはいえ、必ずしも会社や仕事に関する認識が社長と一致しているとは限りません。

特に中小企業の場合、社長の力が圧倒的に大きいので、「社長-管理職-一般社員」という構造の中では、社長と一般社員との中間にいるというよりは、より一般社員に近いポジションにいます。

このため、「この前社長が言ったことは・・・」と管理職が解説する時に、

社長の具体的な発言をより高い視点から俯瞰して、社員にとってより分かりやすい言葉で伝える

というよりは、

社長の具体的な発言を低い視点から捻じ曲げて、社員にとってより都合の良い言葉で伝える

ということがどうしても多くなるのです。


例えば、社長がその発言の中で「利益を出す」ことを強調していたとします。すると、多くの社員は、「社長は口を開ければ『利益』『利益』ばっかりだ」、「うちは利益第一主義の会社だからなぁ」と感じます。

この時、管理職が

「社長が利益を出すことに拘っているのは会社として、当たり前のことを言っているに過ぎない」

「会社が利益を出すためには、お客様にウチの商品を買ってもらって、喜んでもらわないとダメだ」

「では、Aさんに喜んでもらうためには、具体的にどんな提案をしたらよいだろうか?」

と言えるかどうか。


つまり、社長の発言を補って、「お客様を喜ばす→商品が売れる→利益を出す」という視点で語れると、社員も社長の意図をより深く理解した上で、行動できるようになります。

しかし、実際には、社長の発言を受けて、「もっと利益上げるために頑張れ!」「利益を上げられない奴はウチでは評価されないぞ!」と拡大解釈しているケースが多いように感じます。


あなたの会社では、社長の意図がきちんと翻訳されて伝わっているでしょうか。
 

社長の意図がきちんと伝わる組織を作るに「社長専任の社外チーム」を活かしましょう。詳しくは「こちら」

メールマガジンのご登録

ヒーズでは、弊社の日頃の活動内容や基本的な考え方をご理解いただくために、専門コラム「知恵の和ノート」を毎週1回更新しており、その内容等を無料メールマガジンとして、お届けしています。

上記のフォームにご登録いただければ、最新発行分より弊社のメールマガジンをお送りさせていただきます。お気軽にご登録いただければ幸いです。

最新の記事

アーカイブ