成長支援部からの提言

2019/03/05

(第261話)ヒヤリハットを地道に業務改善につなげて、会社の安全を確保する

カテゴリー :リスク管理

表面化した問題の勃発後に、仕組みの改善を検討するのは成長が止まる会社
表に出ない問題の発生後に、仕組みの改善に着手するのが成長し続ける会社

ヒヤリハットを地道に業務改善につなげて、会社の安全を確保する
ヒヤリハット。

事故を未然に防ぐには、事故に至らなくてもヒヤリとしたり、ハッとした事例をどれくらい真剣に取り扱うかによって、大きく変わります。


先日もテレビを見ていると、ある大学病院で、「手術後に患者さんの体内に手術で使った器具を置き忘れる」という事例が取り上げられていました。実際には手術室を出る前に発覚したので、事故には至らなかったのですが、ヒヤリハットの事例として同じようなケースがいくつか報告されていたのです。


昨年ドラマ化された小説「ブラックぺアン1988」では、患者の体内の中に手術で使うぺアンが残っていたことがストーリーの大きな鍵を握っていました。

けれども、事実は小説よりも奇なり。実際の医療の現場では、そのような器具置忘れが実際に起きているという訳です。


さて、ヒヤリハットの報告を受けて、医療安全チームが乗り出すのですが、手術マニュアルでは器具の置忘れを防止するための規定がきちんと定められていました。

では、なぜ、マニュアルに定められているにも関わらず、器具の置忘れが事実上起きているのでしょうか。


番組では、医療安全チームのトップがマニュアルの問題点を指摘します。

その問題点とは、「看護師側が器具の置忘れを確認するために注意を促す」という主旨の規定であるということです。つまり、手術するのは医師ですが、「医師が器具の置忘れを確認する動作が明確に決まっていない」という点を問題視したのです。


そして、実際に医師や看護師にヒアリングをしてみると、

  • 医師:手術を終えたら、一刻も早く患者さんの身体を閉じたいという気持ちが働く、一方で、自分はそんなケアレスミスはしないという自負がある
  • 看護師:医師のサポートという立場上、医師のミスを指摘することになるかもしれない注意喚起を出しづらいという気持ちが働く

ということが分かりました。

つまり、マニュアルの規定では、「看護師が注意喚起する→医師が最終確認する→器具の置忘れを防ぐということを想定しています。しかし、実際の運用では、「看護師が注意喚起しづらい→医師が最終確認をしない」ために、器具の置忘れミスが発生して、ヒヤリとしていたのです。


このように、マニュアルでいくら規定しても、実際にそれを行うのは人であるために、マニュアルで想定したのとは違う事象が発生します。

番組では、関係者の協力を得て、医師からも手術終了前の合図を出すことで、「看護師が注意喚起する→医師が最終確認する→器具の置忘れを防ぐ」という流れが生まれるようマニュアルを改訂することが決まりました。


この場合、「仕組みの整備あり+運用が不十分」であったものを、仕組み自体を見直すことで、運用が有効になるよう業務改善を図っています。

一度仕組みを作っても、それで完璧であるということはありません。作った当初は問題ないと思われた仕組みも、実際に使い始めてみると、その想定通りには効果が出ないということがたくさんあります。


その時、大きな問題が起こってから仕組みを見直すのでは遅すぎます

ヒヤリハットのように、大事には至らなかったけれど、その予兆が見えた段階で、どこまで迅速に手を打てるかが大きなトラブルを未然に防ぐポイントになります。


もし、目に見えるような問題が毎日のように起きているとすれば、その10倍以上の、目にはつかない問題が時々刻々起きていると考えるべきです。

医療安全を怠ると、医療事故につながります。会社では業務改善を怠ると、最悪の場合、会社の倒産につながります。

あなたの会社では目に見える問題の解決だけに終始していないでしょうか。
 

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