知恵の和ノート

2019/03/19

会社として新入社員に最初に分かってほしいことは何か?(第263話)

カテゴリー :社員教育

判断基準を先に伝えず、結果を見て後から叱責するのは成長が止まる会社
判断基準を予め伝えて、後から上手く軌道修正するのが成長し続ける会社

会社として新入社員に最初に分かってほしいことは何か?

新入社員が入ってきた時、あなたの会社では一番最初に何を教えるでしょうか?

普通は会社の概要を教えたり、業界の基礎知識を教えたりします。また、中には会社の経営理念について、熱く語る社長さんもおられるかもしれません。
 

冒頭の質問に対する私の回答は、迷った時の判断基準です。

新入社員であろうが、勤続30年のベテラン社員であろうが、お客様から見た時、一人の社員は会社の代表者です。

お客様から質問を受けて分からないことは、知識を学び、経験を積んでいけば、そのうち何とかなります。また、マニュアルを整備したり、勉強会を実施したりすることで、ある程度の対応力は徐々に身につきます。


けれども、学生時代と違って必ずしも正解があるとは限らないのが会社の仕事。

とっさの判断で、「これはやるべきか、止めるべきか」「A案とB案のうち、どちらを選べば良いのか」を決めなければならない場面が必ずあります。

そんな時、会社の社員として、どういう判断基準として行動するのかを最初の段階で教えることをお薦めしています。


もちろん、判断基準を伝えても、その結果が会社が望むものになるとは限りません。けれども、この場合はやり方の問題やタイミングのずれなどが要因なので軌道修正するのが比較的容易です。一方で、判断基準が違う場合は、一つの問題に留まらず、いろいろなところに問題が波及している可能性が高いので、修正するのがかなりたいへんです。

そして、この判断基準はできるだけ分かりやすい形で噛み砕いて伝えるのがポイントです。


例えば、よくあるのが「会社のため」という判断基準。

しかし、「会社のため」と言いつつ、コンプライアンス上、問題のある行為を是認してしまうことは、長い目で見て絶対に会社のためになりません。けれども、まだ社会人生活に慣れていない社員にとっては、その区別がなかなかつきません。

この場合、「法令に違反する行為は絶対にやらない」というのが価値判断の基準になります。


また、「目標は達成する」という判断基準。

会社で働く以上、目標に向けて知恵を絞るのは当たり前ですが、目標達成に関心が集中し過ぎると、目の前の目標を達成するためにお客様に無理やり商品を買わせるという行動につながるケースもあります。

この場合、「お客様に迷惑をかける形で目標を達成することはダメ」というのが価値判断の基準になります。


言葉として表現すると、当たり前のことばかりかもしれません。また、社長からすると、「そんなこと言わなくても分かるでしょう」と思われるかもしれません。

けれども、それを最初に叩き込まないと、その世間から見れば非常識である会社の常識が当たり前になり、その認識を改めさせるのにかなりの時間と労力がかかります。また、社長としては経営理念を含め、社員にはしっかり伝えていると思っていても、その言葉の真意が途中でねじ曲がり、本来の趣旨とは違った形で社内に伝わっているケースも少なくないのです。


1日のうち、約3分の1を過ごすのが会社という器の中。その器に入ってきたひよっ子がすくすく育つには最初から方向性をしっかり示すことが肝要です。

当たり前のことを当たり前にできるのは難しいことは、社会人生活を何年か続けて初めて分かります。

新年度に向けて、社員にこれだけのことは絶対守ってほしいという価値判断の基準は何なのかを洗い出しましょう。

 

会社で価値判断の基準を示すためには、社長自身が価値判断の基準を言葉として把握することが大前提となります。体感セッションは「こちら」をご覧ください。

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