知恵の和ノート

2019/08/06

社員の抱えるストレスにアプローチし、仕事の進捗を早める(第283話)

カテゴリー :社員教育

感情的な怒りで、仕事の流れをさらに停滞させるのは成長が止まる会社
要因別のアプローチで、仕事の流れを加速させるのが成長し続ける会社

社員の抱えるストレスにアプローチし、仕事の進捗を早める

社長から社員を見た時に困ることの一つが、「社員が仕事を抱え込む」ということです。

多少抱え込んでいても、最終的に期限までに、その仕事が終了すればまだ良いのですが、最悪なのは期限間際になって、「やっぱりできませんでした」と言われることです。


ある程度社員の人数が増えてくると、社員一人ひとりが今日はどのような仕事をどのくらいやっているのかを正確に把握することはできません。このため、ある程度、社員の裁量に任せざるを得ません。

しかし、任せたからといって、丸投げにしてしまうと、最終的に責任を負うのは任せた方です。このため、そのさじ加減が難しいところです。


私もどちかと言えば、仕事を抱え込むほうです。そこで、社員が仕事を抱え込む要因を私なりに分析してみると、5つに分かれます。

1.やりたくない

2.やり方が分からない

3.やることが多すぎる

4.ちゃんとやりたい

5.人に仕事を振るのが苦手


1.やりたくない

人はやりたくない仕事はどうしても後回しにしがちです。

そして、やりたくないという場合でも、その仕事は自分の考えと合致しないからやりたくないという場合もあれば、「やらなければいけない」ことは頭では分かっていても、「面倒くさいから」やりたくないケースもあります。


2.やり方が分からない

その仕事をどのような手順で進めていいのか、分からないから仕事を抱えてしまうこともあります。

社長からすれば、「それならすぐに質問してくれ」と言いたいところです。しかし、本人は「何をどう質問したら良いのか分からない」、「どこに課題があるかもハッキリしない」ということが少なくありません。


3.やることが多すぎる

中小企業の場合、社員数も少ないので、特定の人に仕事が集中してしまうことが往々にしてあります。

そして、その人が事務処理能力も高く、テキパキと仕事をこなす人であれば良いのですが、中にはあまり要領のよくない人もいます。その場合、どうしても実力以上の仕事量をこなすことになるので、仕事のやり方自体を大きく変えるか、他の社員にも分担させない限り、仕事を抱える状況が恒常的に続きます。


4.ちゃんとやりたい

やる気もある、やり方もよく分かっている、仕事量も適量である、けれども、仕事を抱え込む人は、いわゆる職人気質の人かもしれません。

自分の仕事をきっちりこなしたい、できるだけ質の高いものに仕上げたいという意識が強いがために、結果的に他者から見ると、「もっと早くやればいいのに」という状況が生れていることがあります。


5.人に仕事を振るのが苦手

自分に任せられた仕事を他の社員に任せるのを苦手な人もいます。

4との関連で「自分がやらなきゃ」と思って、任せない人もいますし、任せるのが面倒だと感じたり、任せ方が分からないというケースもあります。


このように、仕事を抱え込む人にもいろいろなタイプがあり、時には複数の要因が重なりあったりしています。

このため、社員が仕事を抱え込んでいる時に「どうしてすぐにやらないんだ!」と一喝するのではなく、その人毎、要因別に対応策を打つ必要があります。


その仕事をやりたくない人は、その仕事の目的や意義がちゃんと理解していない可能性があります。

仕事のやり方が分からない人には、最終ゴールにまで至るプロセスを細かく分けて、本人が自分でイメージできるまで噛み砕く必要があります。

やることが多すぎるケースは何を優先すべきかを示してあげることも有効です。

ちゃんとやりたい人の場合は、最初から100点を狙うのではなく、まずは70点を目指すことでハードルを下げるというアドバイスが効くかもしれません。

人に仕事を振るのが苦手な人の場合には、最初は半強制的にでも仕事を任せる方向に持っていくのも一案です。


いろいろと面倒ですが、この面倒な手順を踏まない限り、社員が自走する組織は生まれません。

社員が仕事を抱え込むのは社長にとってストレスの溜まることですが、抱え込んでいる社員にもそこそこストレスは溜まっています。まずは、相手のストレスを軽減させることで、結果的に自分のストレスも軽くすることを目指しましょう。

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