成長支援部からの提言

2019/11/19

(第298話)事業に対する腹落ちなくして会社の持続的な成長なし

カテゴリー :経営者

技術やノウハウのみで他社と差別化を図るのは成長が止まる会社
経営者の納得感をベースに他者を巻き込むのが成長し続ける会社

事業に対する腹落ちなくして、会社の持続的な成長なし

「なぜ、あなたがそれをやるのか?」

ベンチャー企業がプレゼンするイベントに参加した際、コメンテーターのお一人がベンチャー企業を見る際に重要視しているポイントとして挙げておられました。

ベンチャー企業を精査する際は、その技術の革新性やビジネスモデルの発展性をチェックすることが多いかと思います。このため、ご自身も経営者としてIPOを経験されたそのコメンテーターの方が「経営者がその事業に対して、本当に腹落ちしているか」を大切にされているというのは、ちょっと意外な感じがしました。


会社を経営していると、何かしらの壁にぶつかります。その際、その壁を乗り越えるべく、あの手この手を考えて実行できるかどうかによって、事業が続くかどうかが決まってきます。

もちろん、技術的な優位性によって、壁を突破できることもあります。けれども、時には自社が持っている技術だけでは、問題を解決できず、他社の協力を得たり、事業の進め方そのものを大きく転換する必要性に迫られることがあります。

その時、大事になるのが、今までの経験やノウハウよりも、自分はなぜこれをやるのかという部分です。つまり、「やり方」よりも「あり方」です。

最後まで信念を通す部分と、時には妥協して諦める部分の境目はどこにあるのか。これは、経営者自身が自分の価値判断の基準を持っていないと第三者には理解してもらえません。


特にベンチャー企業で創業期から成長期の時期には、やり方はコロコロ変わる可能性があります。

ある意味、超高速でPDCAサイクルを回している訳ですが、他者から見ると、「一貫性がない」「安定感がない」と解釈される可能性があります。そして、社員の中にも目まぐるしく変わるやり方に愛想をつかして、辞めてしまう人も出てくるかもしれません。

その際、経営者の中、そして、会社の中に変わらない一点があるかどうか


私が楽天銀行の立ち上げに携わっていた時も、銀行開業当初は開発したシステムが安定しないという問題が発生していました。最終的には、そのシステムを改修して使うのではなく、新たなシステムを構築して、リプレイスするという選択肢が選ばれました。そして、その過程の中で、当初のシステム開発に携わった創業メンバーの人たちが何人か退職するという混乱があったのです。

その時は、一緒に苦労してきた仲間が辞めてしまうのは非常に残念に思いました。けれども、今自分が経営者になって、振り返ってみると、その時の経営陣の決断は「インターネット専業の新しい銀行を作る」という点において、ブレがなかったように感じます。


人も動物であり、本能としては、強い者に対して、弱い者は恐れを抱き、その力に巻き込まれます。

経営者は「なぜ、自分はこの事業をやるのか」について、社内の誰よりも強い思いがあることが必要です。この点は、ベンチャー企業だけでなく、業歴の長い会社であっても同じです。

「親が創った会社だから」だけでは少し弱い気がします。もし、後継者であれば、「親が創った会社を自分はどうしたいのか」がハッキリしないと、多くの社員がついてきません。

自らIPOを経験された経営者の視点からは、いろいろな意味で気づきをいただきました。

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