知恵の和ノート

2020/02/04

(第309話)社員のミスは業務プロセスを上に遡って仕組みで減らす

カテゴリー :業務改善

社員の間違いを属人的なミスとして埋没させるのは成長が止まる会社
社員の間違いを全社的な課題解決の糸口にするのが成長し続ける会社

社員のミスは業務プロセスを上に遡って仕組みとして減らす

アイスコーヒーを頼んで、ミルクを入れようと思ったら、一緒についていたのは、ミルクではなくシロップだった。

お店でテイクアウトを注文した際、このような間違いはたまにあります。店内で飲食する際はすぐに気がついて交換してもらえますが、家に帰ってから、間違いに気がつくと、かなり腹が立ちます。

マクドナルドのV字回復に貢献された原田泳幸さんがお客さんを装って現場を回っている際も、同じようなミスに何回か遭遇したそうです。


もし、あなたがマクドナルドの社長で覆面調査としてお店に行った際、ミルクとシロップを間違えて入れてしまうというミスに遭遇したら、どのように対応するでしょうか?

接客した店員に注意する。

お店の店長に報告して、以後気をつけるよう指示を出す。

いろいろな対応の仕方があるかと思います。

当時の原田社長は、もう一度お店に戻って店内をチェックしました。

 

すると、

  • ミルクとシロップの入った容器の色は同じ白である
  • それぞれの容器は横に並べられたトレーの中に置いてある

ことに気づきました。

つまり、

  • 容器だけではすぐに見分けがつかない
  • トレーが並んでいるので、取り間違いが起こりやすい

ということが分かったのです。

そして、本社の担当者に連絡して

  • ミルクとシロップは容器の色を別のものにする
  • その容器を入れるトレーは分けて置く

よう指示したそうです。

 

マクドナルドの場合、アルバイトクルーと呼ばれるアルバイト社員が主力戦力です。

ミルクとシロップの入れ間違いをしたアルバイトに直接注意しても、別のアルバイトが同じようなミスを起こす恐れがあります。また、マニュアルを作ってしっかり指導しても、学生アルバイトなどは2、3年で入れ替ってしまうため、マニュアルの効果にも限界があります。

 

そこで、会社としてできるのは、「今日初めて現場に入った社員でもちゃんと仕事ができる仕組みを整える」ということです。

もちろん、たとえ容器の色を変えて、一目で分かるようにしても、また、置く場所を変えることで、取り間違いを減らす流れを作っても、ぼーっとしていて間違える人はいるかもしれません。しかし、少なくとも、同じ容器の色で区別がすぐにはつかず、置く場所も隣接して取り間違いしやすいケースよりは確実にうっかりミスは減るはずです。

 

何か間違いやミスが起きると、原因を追求する過程で、「あの人が間違えました」「彼女の不注意が要因です」という形で、属人的な要因を挙げて、その人に注意することで終わってしまいがちです。けれども、Aさんが犯した間違いは、BさんやCさんも犯してしまう可能性はあります。

このため、「今日入社した社員でもちゃんとその仕事ができるか」という観点から常に仕事を見直していく姿勢が大事です。


マクドナルドの対応はマニュアル的だと時には非難されます。けれども、アルバイト社員主体で店舗を運営している以上、ある程度の画一化は仕方がないものがあります。

そして、マニュアル的な対応の背景では、ちょっとした気づきを常に業務改善につなげていく仕組みがあり、社長自身も率先してその仕組み作りに携わっていることを知りました。


皆さんの会社では何かちょっとした間違いやミスが起きた時、「今日入社した社員でもちゃんとその仕事ができるか」という観点から、仕事のやり方を見直すことにつなげているでしょうか?

仕事の現場には改善すべきポイントがたくさん眠っています。

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