知恵の和ノート

2020/02/18

(第311話)怒られない時に潜むリスクを社長は怒らずに社員に教える

カテゴリー :社員教育

社員が相手に怒られないかどうかを判断基準に行動するのは成長が止まる会社
社員が怒られなくても、相手の気持ちを汲んで行動するのが成長し続ける会社

怒ってはいけない社員に教えた方が良い、怒られない時に潜むリスク
最近の社員に対しては「怒ってはいけない」といったことが言われます。

理不尽なものや、納得のいくものも含めて怒られながら育ってきた私にとっては、やや違和感もあります。けれども、上司が怒ると、すぐにパワハラだと訴えられたり、ちょっと注意したことをきっかけに会社を辞めてしまったりする人が多い事情からすると、「どういう時に怒るか」というのは以前よりも難しい問題になっています。


もちろん、誰だって怒られるのは嫌です。

一方で、対お客様との関係で考えると、「怒られなければ良い」という基準は、ちょっと危険な要素を含んでいます


というのは、先日ある会社の社員さんと話をしている時のこと。

お客様から依頼されている仕事の最終期限はいつになるのかを確認したところ、「まぁ、『できるだけ早めにお願いできれば』と言われています」という回答でした。伝わってくるニュアンスは、「お客様は怒っていないのでまだ大丈夫です」ということです。

我々も、そのお客様に直接確認した訳ではありません。けれども、先方の言葉を読み解くと、「本当はもう少し早くやってほしいけれど、そちらはそちらのご都合があるかと思いますので、あまり無理は言いませんが・・・」という状況なのではと推測した次第です。


会社とお客様との関係で言えば、特にBtoB取引でお客様が怒るのは、会社の対応があまりにもひどくて、よほど腹に据えかねるといった時が大半です。何かにつけて文句を言うクレイマー常習者でない限り、多少の不満があっても直接怒ったりはしません。

けれども、その不満を他の人にしゃべったり、次の取引を検討する際に、「あそこは前回対応が良くなかったから、止めておこう」というように選択肢から外したり、ということが行われます。


つまり、社員の判断基準が

  • 〇:怒られない
  • ×:怒られる

という単純な図式になっていると、問題があって、本当は対応に納得していないために、知らないうちに会社の信用を失っているケースを見逃してしまう恐れがあります。

私なども、買い物や食事の際、「なに、これ?」という対応があった時に、よほど腹の虫の居所が悪い場合でなければ、「まぁ、言ってもしょうがないし」という形でやり過ごします。


社員教育において、理不尽に社員を怒ることは絶対に避けなければなりません。

けれども、あまり怒られることに慣れていない社員が「相手から怒られない状況は問題ない」という判断基準を持っているとすれば、「相手が怒っていない場合でも、問題が発生している場合がある」ことをしっかりと理解させる必要があります。


相手が怒っている場合は、怒られた本人も「これって、まずいかも」というのが肌感覚で分かります。

けれども、相手が怒らずに、皮肉を込めて「まぁ、いいですけど」と言った場合に、その言葉を額面通り受け止めて、「大丈夫だ」と解釈する人が少なからずいます。

子供の頃から、あまり怒られずに育った場合、怒られたという事実に戸惑ってしまい、そこでいったん思考が停止する傾向があるように感じます。この場合、自分にとっての苦を避けたいという本能が働いて、「怒られるのは嫌だから絶対避けたい→怒られない限り、問題はなく大丈夫だ」という流れができます。

 

なので、日頃すぐに社員を怒りがちな社長さんは特に気をつけましょう。

もしかすると、社員は社長が怒っている要因には思いを馳せず、単に「社長の怒り」という嵐が過ぎ去るをずっと待っている癖がついているかもしれません。

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