知恵の和ノート
経営理念を日々の仕事と結びつけるには構造的な説明が不可欠(第314話)
経営理念が宙に浮いて、仕事との違和感が広がっているのは成長が止まる会社
経営理念が身について、仕事との一体感が広がっているのが成長し続ける会社
経営理念を
- ビジョン:会社が目指す理想の世界
- ミッション:ビジョンを実現するための使命・役割
- バリュー:日々の仕事を通してお客様に提供する価値
の3つから構成されるものと定義します。
では、それぞれを決めた後で、これらの要素を具体的にはどのように日々の仕事と結びつけていけば良いのでしょうか?
ビジョンを実現するためには、様々な「目標」を設定します。そして、その目標から見た時に、現状を分析すると目標と現状の間にはギャップがあります。このギャップが会社の取り組む「課題」になります。
数字を使って分かりやすく説明します。
仮に
ビジョン:社員がその実力を120%発揮する会社にする
の下、目標の一つとして
目標:3年後に売上高10億円にする
とします。
もし、現在の売上高が3億円であれば、
課題:3年間で売上高をどうやってあと7億円増やすか
となります。
次にこの課題を解決するために「対応策」を考える訳ですが、「3年間で売上高を7億円増やす方法」については、いろいろとあります。その際、「どの対応策にするか」「選んだ対応策のうち、どれを優先して取り組むか」を決める際の判断基準となるのがミッションです。
仮に
ミッション:常に最高品質の商品を提供する
であれば、
対応策1:商品の価格を下げて売上高7億円増やす
対応策2:商品の価値を上げることで、売上高7億円増やす
の2つの案があった場合、優先されるのは対応策2になります。
そして、対応策を具体的に実現するためには社員の「行動」が必要になってくる訳ですが、その際の行動基準がバリューになります。すなわち、お客様に対して、会社はどのような価値を提供しているのかを常に意識しながら行動することがポイントになります。
仮に
バリュー:商品を通してお客様の生活環境を改善する
であれば、
- 商品の材料
- 商品の作り方
- 商品のアピールポイント
- 商品のセールス方法
- 商品を買ってもらった後のフォローアップ
も自ずと変わってくるはずです。
今まで述べてきたことは「それって当たり前のことでは?」ということばかりです。
けれども、現実問題としては、
- 経営理念はちゃんと定めている
- 半期毎に目標を設定して管理している
- 会社の課題も定期的に見直している
- 毎月の会議で必要な対策を打っている
- 社員の行動は毎日報告を受けている
という場合でも、どこかができていないことが少なくありません。
では、その要因はどこにあるのでしょうか?
たいていの場合、要因は一つではなく、いくつかの要因が重なりあって、社長が考えているように社員が動かず、結果として、期待している業績が実現しないことが起こっています。
ほとんどの社員は目の前の仕事における課題は把握していても、その課題を解決するための打ち手については、散発的、部分的な回答しか持っていません。そこは、社長が社員に対する期待を捨てて、経営理念と仕事との結びつきを構造的に分かりやすく伝え続ける必要があります。
もし、社長お一人ではなかなか難しいという場合は弊社がお手伝いさせていただきますので、お気軽にお声かけください。
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