知恵の和ノート
経営者は明確な指針と丁寧な説明で社員の不安を軽減させる責務あり(第316話)
社員を情報の渦に巻き込まれたまま放置するのは成長が止まる会社
社員を情報の渦から抜け出す指針を指し示すのが成長し続ける会社
政府は常に現状を調査し、必要であれば修正をしていきます。現在は動的な情勢でありますから、いかなる時も臨機応変に他の機関と対応できるよう、高い意識を保つ必要があります。そして説明もしていきます。
ですから、私からのお願いです。どうか私たちからの公式発表以外の噂を信じないでください。
これは、先日ドイツのメルケル首相が国民向けに行ったスピーチの一説です。ドイツ在中の日本人で、そのスピーチをリアルタイムでお聞きになった方が和訳してくれていました。
自国民に対するリスペクトが感じられ、民主主義に対する揺るぎない自信に満ち溢れたスピーチなので、私もたいへん感銘を受けました。ぜひ一度全文をお読みいただければと思います。(メルケル首相のスピーチの英語版は「こちら」です。)
さて、そのスピーチの中で参考になることの一つが冒頭でご紹介した情報の集中管理です。
不安な状況が広がると本当の情報、間違った情報、嘘の情報を含めて、いろいろな情報が飛び交います。ましてや、今はSNSが発達しているので、虚実織り交ぜた情報が直接個人の元に届きます。
この時、情報弱者は普段は大丈夫であっても情報に振り回されて、要らぬ不安を拡大させている恐れがあります。
会社においても、本人に悪気はなくても、ちょっとした疑問や懸念を口にすることで、それがいつのまにか既成事実として流布してしまうことがありうるのです。それゆえ、経営者はこういう時期にこそ「信じるべきは『これだ!』」ということを明確に指し示すことが求められます。
- 会社として目指すもの
- 会社としてお客様に提供する価値
- 会社として社員に担ってほしい役割
- 会社として今回の危機に立ち向かう対応策
など、誰もが安心できる指針を求めています。
実際、あるクライアントさんでは年度末で忙しいこの時期に社員の一人前基準として求められる要素の洗い出しと再構築を一日かけて取り組まれています。
もちろん、こういう状況なので、仕事としての優先順位などは時々刻々変わる可能性があります。
けれども、その際には「何が原因となって、どこをどう変えるのか」をいつも以上に丁寧に発信することがポイントです。その分、経営者は説明責任をしっかり果たすという意識がポイントになります。
明確な指針を指し示しているか。
一度示した基準や手順を変える時は説明責任を果たしているか。
ぜひ、意識して取り組みましょう。
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