知恵の和ノート

2020/10/13

トップ営業マンからOJTで学んだのに営業でNo.1になれなかった要因(第345話)

カテゴリー :社員教育

OJTの実態を把握した上で、知っておくべき基準を明確に示す

トップ営業マンからOJTで学んだのに営業でNo.1になれなかった要因

会社に入って最初に仕事を覚える時、多くは「OJT(On-the-Job Training)」で行われています。

配属された部署で先輩方から仕事への取り組み方ややり方を学ぶという方法です。私も34年前に支店の先輩社員からいろいろと教えてもらいました。


その際、教えてくれる先輩の力量や個性が反映されます。

もちろん、単純作業の場合はそれほど差はないかもしれません。しかしながら、営業など、その人オリジナルのやり方が色濃く出る場合などは、OJTによる成果の出方が大きく違ってきます。


私が最初に営業に出た時、いろいろと教えていただいたのは、支店で常にトップセールスの実績を残しておられる人でした。

主に新規取引先の開拓で大きな成果を上げておられたのですが、「まずは喫茶店に行って頭の中を整理してからお客さんの所へ行け」といった教え(?)も含め、その言葉は後の私の活動にもいろいろと影響を及ぼしました。


当時は先輩の教えに素直に従っていた私ですが、そのうち先輩から教えてもらった通りのやり方では上手くいかないこともありました。

もちろん、私の能力不足、努力不足もあったかと思います。けれども、それ以上に大きかったのは「先輩と私とでは個性や特徴が違う」ということ。

一見すると、やや強引とも思えるセールスでお客さんを魅了し、抜群の営業成績を上げられたのは先輩だからこそできたこと。私が同じようにやろうとしても上手くいかないことがあったのです。


「守破離」ではありませんが、最初は教えてもらった通りにやるとしても、そのうち本質的な部分を見つけて自分なりのやり方を見出さない限り、いつかは壁にぶつかります。

この点、OJTで仕事を学ぶ場合は教える側が必ずしも体系的に教えてくれるとは限らないといった状況があります。


OJTは本来

  • Show(やってみせる)
  • Tell(説明する)
  • Do(やらせてみる)
  • Check(評価・追加指導)

という段階があります。

しかしながら、私はこのような体系的なOJTを経験したことは一度もありません(笑)。

たいていは、その人が自ら学んで実践したことや実践して上手くいったことをベースにその人なりの教え方で説明して終わり。このため、成果が出るまでに人によって差が出てしまいます


中小企業でOJTが人材育成の中心である場合

  • 教える側も教わる側も仕事の全体像を理解していない
  • 慣習として覚えたことがベースになっている
  • 会社としての行動基準が必ずしも明確ではない

ことがあります。

すると、人材育成という点でどうしてもムリ、ムダ、ムラができてしまいます。


特に営業や職人技が求めれるモノづくりなどはマニュアル化するのが難しい側面があります。このため、OJTとして背中を見ながら覚える場面が多いのはある程度やむを得ません。

しかしながら、

  • 営業で言えば、成功事例や失敗事例が属人化レベルのノウハウに留まっている
  • 製造で言えば、「なぜ、この工程をやるのか」という根源的な原理が伝わっていない

ということがあります。


OJTを人材育成に上手く活用するためにも、会社が社員に最低限分かってほしいことは言葉として記録して周知徹底するよう心掛けましょう。


なお、OJTのよる効果の振れ幅を少しでも小さくするために「考トレ:『仮説・検証』マスタープログラム」では、お金、マーケティング、マネジメントの3項目について、それぞれ4つの視点から抑えるべきポイントを会社の実態に沿う形で学べる内容になっています。

OJTによる人材育成に限界を感じておられる方はお気軽に弊社まで「お問い合わせ」いただければと思います。

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