知恵の和ノート

2022/05/03

VUCAの時代は一見消極的に感じる進め方がかえって有効(第426話)

カテゴリー :リスク管理

VUCAの時代こそ、自社が許容可能な損失を予め設定してから新しい事業に取り組むことが、リスクを回避しつつ、収益確保にもつながるやり方。

VUCAの時代は一見消極的に感じる進め方がかえって有効

新商品でいくら売上げられるのか?

事業計画を作る際には何かしらの期待を込めて数字を予測します。けれども、期待した通りの売上が上がらなかったということは、誰しもご経験があるかと思います。


では、逆に新しい事業を始める際、「いくらまでの支出になるのか?」については、いかがでしょうか。

もちろん、

・当初の見積もりが甘かった

・原材料費が高騰した

・急速に円高が進んだ・・・

といった要因で、計画以上に支出が膨らむことはあります。


けれども、収入に比べると、支出の方は、よりコントロールすることができます。

なぜなら、お金を払うのは自社なので、当初の計画よりも支出が大きく膨らむようであれば、会社の意思でその支出を減らすことが可能だからです。

つまり、コントロールにしやすさで言えば

・収入<支出

・売上<経費

です。


したがって、何か新しい事業を始める時、まずは「許容可能な損失はいくらなのか?」を自社で決めることが大切です。

たとえ、最悪売上がまったく上がらなくても、「いくらまでの損失ならOKとするのか」を予め設定しておくことで、損失が無制限に膨れ上がるのを防ぐことができます。


売上は最終的にお客様が買うか買わないを決めるので、自社でコントロールすることには自ずと限界があります。

そこで、お勧めするのが

許容可能な損失を予め設定する
 ↓
その数字を越えない範囲で必要なお金や時間を投資する
 ↓
期待したほど売上が上がらなくても当初の想定内で収まる

という流れを作ることです。


一見消極的に見えるかもしれません。

けれども、多くの場合

許容可能な損失を予め設定しない
 ↓
いくら損が出るか分からないので、なかなか行動に移せない
 ↓
本来得られるはずの収益を逃す

許容可能な損失を予め設定しない
 ↓
期待通りに進まないので、どんどん追加で投資する
 ↓
会社の業績悪化の要因となる

かのいずれかです。


VUCAの時代と言われるように、先行きが不透明な時こそ、「自社が許容可能な損失を予め設定してから、新しい事業に取り組む」ことは、収益確保の観点からも理にかなったやり方です。

 

なお、PRに力を入れて自社商品の認知度を高めて売上アップにつなげる戦略は広告宣伝費がかからないので、許容可能な損失として考えられるのは「せっかく頑張ってプレスリリースや企画書を書いたけれど、メディアに取り上げてもらえない」ことです。

この場合、人や時間などの経営資源の投資という意味では、期待した効果が出ないと損失だと考える経営者もおられます。

しかしながら、仮にメディア掲載に直接つながらなくても、自社商品の

・機能価値
・感情価値
・社会的価値

を真剣に考えて言語化することは、必ず自社の売上改善につながります。


したがって、この場合、許容可能な損失として経営者が検討しなければならないのは

・自社のリソースだけで取り組むこと
・第三者の力を借りて取り組むこと

のどちらが費用対効果、時間対効果で損失が大きいのかです。

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