知恵の和ノート

2023/06/13

同じ「キャッシュフローが回らない」場合も、会社によって打ち手は異なる(第484話)

カテゴリー :業務改善

売上が少なくてキャッシュフローが回らない場合と、売上が上がっているのにキャッシュフローが回らない場合とでは打ち手が異なるので、まずは言葉の定義を整える。

キャッシュフローが大事と言っても状況は異なる

コンサルティングの現場で「こちらの主旨がいま一つ伝わっていないなぁ」と感じる時、その要因の一つとして「言葉の定義が違う」ことがあります。


例えば、キャッシュフロー。

キャッシュフローが回らない」と言う際、イメージしている状況は人によって違います。


創業間もないスタートアップ企業で「キャッシュフローが回らない」という時は、たいてい「キャッシュフローが回らない=売上が安定していない」です。

一方、増収増益中の企業で「キャッシュフローが回らない」という時は、「資金需要が旺盛なので、運転資金がバンバン必要だ」ということがあります。この時は「キャッシュフローが回らない=お金の管理が上手くできていない」という状況です。


j実際、資金繰り表を作っていないと

・いつ、いくらのお金が足りなくなるのか
・銀行から、いつ、いくら借入すればよいのか

が分かりません。


創業間もない企業がまず年商1億円を目指すといった場合、最初にクリアすべき課題は「売上の安定」です。

この段階において、キャッシュフローが回らない最大の要因は売上不足。だから、とにもかくにもまず売上を上げることが最優先課題です。

 

そして、ある程度ベースとなる売上が安定してくると、次にクリアすべき課題が、お金を上手に管理するという意味での「キャッシュフローの安定」です。このキャッシュフローの安定では、「売上が安定している」ことに加えて、「必要な利益をある程度確保できる」目処が立っていることが求められます。

そして、さらに売上や利益を上げるためには「いつ、いくらのお金を使えるか」を会社として把握し、時には

・手元のお金を一時的に減らしても広告宣伝費に投資する
・銀行からお金を借りて設備投資する

という必要があります。これは狭義のキャッシュフローの安定と言えるかもしれません。


私が「キャッシュフローが大事ですよ」と言う時には、「売上の安定+狭義のキャッシュフローの安定」として、広義のキャッシュフローを意味しています。

このため、まだ売上が安定しない会社の場合

「キャッシュフローが大事なのは分かるけど、ウチはまだそんな段階じゃないし」

「キャッシュフローって言われても難しそうでよく分からん!」

「もう少し会社が大きくなったら相談に行きます」

とおっしゃる経営者がおられます。

 

そのような場合には、二段階に分けて

「まずは売上を安定させましょう!」

「そろそろお金の管理をちゃんとした方が良いのでは?」

と説明するように心かげています。


そして、売上の安定、キャッシュフローの安定がある程度クリアできた段階で、会社が次に直面するのは「マネジメントの安定」の問題です。

会社を取り巻く経営環境が大きく変化する中、仮に「売上の安定→キャッシュフローの安定」が実現できても、今のやり方や仕組みがそのまま通用することはありません。

また、社員の価値観が多様化する中、創業期から成長期にかけては社員が一丸となって仕事に取り組んできたが、安定期になるにつれて社員数は増えた割には、売上や利益が伸び悩むといった状況に陥りがちです。


このような場合には

・会社の経営理念は社内に浸透しているか

・管理職の人は自分が仕事で成果を上げるだけでなく、部下の仕事がスムーズに回るよう心掛けているか

・仕事の評価基準が人によってバラツキがないか

といった「マネジメントの安定」が求められます。


皆さんの会社で、まず安定させたいのは、

  • 売上の安定
  • キャッシュフローの安定
  • マネジメントの安定

のいずれでしょうか?


弊社の「社長専任の社外チーム」では、「会社によって現状が違う」ことを踏まえて、オーダーメイド型で対応させていただいております。

「プレ・社外チームミーティング」(1回90分、無料)では、「喫緊の課題は何か」、また、「どのような未来を求めているのか」といったことをお伺いし、言葉の定義を整えて、社外チームとしてどのように取り組ませていただけるかをご提案させていただきます。

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