知恵の和ノート
なぜ社員は「社長は気分で指示を変える」と思うのか?― 判断基準が曖昧な会社は、必ず感情で止まる(第617話)
組織が止まる原因は、社長の機嫌ではない。判断基準が社内で共有されていないと、変化への対応は感情の問題にすり替わり、納得感を失う。

年末になったので、今年一年で最も読まれた記事ベスト5を調べてみました。
その中で第4位になったのが
上司の気分次第で一度決めた事項がコロコロ変わる会社は優秀な社員が育たない
でした。この記事は2022年4月に書いたものですが、昨年もベスト5入りしていました。
経営者からすると、状況の変化に応じて臨機応変に対応しているつもりでも、社員は、
「社長の言うことはコロコロ変わる」
と感じていることがあります。
その際、お互いにストレスが溜まるので、会社としての行動が止まることも少なくありません。
経営者は
- 売上が順調に伸びている→機嫌が良い
- 売上がだんだん落ち込んでいる→機嫌が悪い
のが普通です。
そして、指示する内容がよく変わるのは、売上が伸び悩んでいる時が多いので、結果として
社長の機嫌が悪いので、言っていることがコロコロ変わる
ということが起こりがちです。
人間関係でストレスが溜まる要因の一つは判断基準が違うことです。そして、会社など組織で仕事をする場合は、判断基準が曖昧で社内で共有されていないと、感情のもつれから、仕事が上手く回らないことが起こります。
経営者は業績が悪い時でも、それを態度に示さず、淡々と仕事をするよう教えるビジネス本も多いです。
たしかに、その通り。しかしながら、経営者も人間。業績が落ち込んでいる時に普段通りに振る舞うのは簡単なことではありません。
このため、もし、ご自身は業績が悪くなると、やたらと指示する内容が増える癖があると感じておられるなら、例えば
・毎月3,000万円の売上高を達成する
・その目標が未達になりそうな時は、あらゆる手を打つ
ことを予め社内で共有しておくのも一案です。
すると、少なくとも社員は
・機嫌が悪いから指示内容が変わるのではない
・売上が目標にいかないから、指示が変わっている
と解釈します。
判断基準が社長の機嫌の良し悪しではなく、会社が目指す目標の達成有無になれば、言うことがコロコロ変わっても、一定の納得感が得られます。
経営者と社員では見ている視点が違うので、どうしてもすれ違いが生まれます。けれども、そのすれ違いが感情のもつれにまでなってしまうと、本来やるべきことがやれない状況に陥ります。
この点、上の立場でいる経営者が「気分次第で言うことを変えている」と社員から思われることは百害あって一利なし。
目まぐるしく変わる状況に柔軟に対応する組織にするためにも、社内における判断基準を明確にしましょう。
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上司の気分次第で一度決めた事項がコロコロ変わる会社は優秀な社員が育たない

優秀な社員を採用して業績アップにつなげたいなら、一度決めた事項を変えるルールを予め定めて運用する。
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