知恵の和ノート
鉄則はシンプルであるがゆえになかなか守れない(第537話)
問題を解決する際の鉄則は「正確な事実に基づいて対策を立てる」こと。もし、データが間違っていたら、その事実と向き合って修正し、正しいデータに沿って対策を立てましょう。
最近では大手自動車メーカーのデータ改ざんが大きなニュースになりました。
データを改ざんするのは何かしらの意図が働いている訳ですが、意図的にせよ、意図的でないにせよ、データが間違っていると、判断を間違える要因になります。
問題を解決する際の鉄則は「正確な事実に基づいて対策を立てる」です。
その事実が歪められていると
間違った対策を立てる
↓
さらに結果が悪くなる
恐れがあります。
以前資金繰りのご相談があった際、赤字にならないよう決算書の数字を操作されているケースがありました。
銀行にも何行か融資の相談をされていたようなのですが、あまり色よい返事はもらえていなかった模様です。
決算書の数字は赤字よりも黒字の方が借入しやすいのは事実。
けれども、表面上は黒字決算でも、
・実質的には赤字である
・利益率が低いのでなんとか数字を操作して誤魔化している
のは見る人が見ればすぐ分かります。
その際、大半の銀行員の方は
「ちょっと在庫が膨らんでいる」
「借入が多いので」
といった理由で断りの説明をします。
このため、経営者が少し勘違いをして
『A行はダメだったけれど、B行からはお金を借りられるかも」
と考えることがあります。
前述のご相談があった先もどうやらそんな感じだったので、
「この決算書では無理です」
と私からはハッキリ申し上げました。
いわゆる粉飾決算の中には、ちょっと見れば、すぐに分かるものもあれば、監査法人が監査をしてもすぐに見抜けないような巧妙なものもあります。
しかしながら、いずれも、データを操作した会社の場合、
・正しいデータに基づいた経営判断に基づく仕事
・正しくないデータをベースにした仕事
の二つが存在することになり、ただでさえ複雑な会社経営がより複雑なものになります。
前述のご相談があった先には
「正確な事実に基づいて対策を立てるということであれば、できることはあります」
とお伝えしましたが、それっきりで終わりになりました。
データが間違っていたら、その事実と向き合って修正し、正しいデータに沿って対策を立てる。
シンプルなことですが、それがなかなかできない会社が多いという事実が問題の根深さの裏返しなのかもしれません。
弊社は6月が決算月。毎年、この時期になると、顧問税理士から
「今期の決算について打ち合わせはされますか?」
というメールが届きます。
私の回答は
「いえ、ありのまま実態を計上してください」
と毎回同じです。
事実はありのままに受け止めて、未来のために貴重な時間を使いましょう。
★「利益の見える化」「仕事の見える化」「人の見える化」の観点から、人が育たなくても仕事が回り、お金が回る座組みをつくりたい方は「こちら」からお問合せください。
↓ ↓ ↓
ヒーズでは、弊社の日頃の活動内容や基本的な考え方をご理解いただくために、専門コラム「知恵の和ノート」を毎週1回更新しており、その内容等を無料メールマガジンとして、お届けしています。
上記のフォームにご登録いただければ、最新発行分より弊社のメールマガジンをお送りさせていただきます。お気軽にご登録いただければ幸いです。