知恵の和ノート
危機に強い会社は何が違うのか?社員が一斉に動ける組織に共通する「3つの整備ポイント」(第616話)
いざという時に慌てる会社ほど、平時は「まあいいか」で回っている。日常からの備えがあってこそ、危機も回避でき、立て直しが早くなる。

電車の中で子供が騒いでいる際、親が注意しても、すぐには騒ぐのを止めない。すると、親の方もだんだん怒ってくるけれど、あまり効果がなく、周囲もなんとなく気まずい雰囲気になってくる。
こんな場面に遭遇したことは、誰しも一度ぐらいはあるのではないでしょうか。
家の中で騒いでいても、あまり注意もせず、ほったらかしにしているのに、外出したら「お行儀よくしない!」と注意しても、子供は言うことをすぐには聞きません。つまり、日頃から、どういう躾をしているかが第三者にも如実に分かる訳です。
実はこれと同じようなことが会社でも起こっています。
それまで、社員に対してあまり厳しく接していなかったのに、急に「あれやれ」とか「これはダメ」と言い出しても、社員は言うことを聞きません。
子供と大人の違いはあるにせよ、人は同じ人が急にいつもと違うことを言い出すと、戸惑ったり、時には反発したりします。
最初から経費の支払を厳しく管理していたら問題はなくても、業績が悪くなったら、「この支払はダメ」となると、「前は何も言われなかったのに」と思うのは、避けられません。
経営者からすれば、「赤字なんだから、当たり前だろう」と考えるかもしれません。けれども、多くの社員は、会社が黒字であろうが、赤字であろうが、毎月給料をもらえる環境に慣れているので、経費の支払管理が厳しくなると、「社長は急にケチになった」と捉えるのが普通です。
先日ある経営者とお話ししていたら、「前職の時、社員全員で電話営業をやった」というエピソードを教えてもらいました。
その方の前職は某上場企業。しかしながら、一時業績が悪くなった時期があり、社員全員が電話営業を行って、売上アップにつなげて危機を乗り越え、その後の業績アップにつなげたそうです。
そもそも全員で電話営業を行うには
- 誰に:電話営業する対象先のリストはあるか
- 何を:電話営業でどのような商品を売るのか
- どうする:どのようなセールストークで話すのか
が整っていないとできません。
また、営業担当だけでなく、経理や人事といった管理部門も社員も電話営業するとなれば、日頃から仕事やお客様とどう向き合っているかが問われます。
「私は経理担当なので、営業のことはよく分かりません」
「私は電話で話すのは苦手なので、やりたくありません」
「売上が低いのは営業の責任なので、私は関係ありません」
このような態度を示す社員が一人でもいたら、社員全員で電話営業はできません。また、業績が悪くなったら、文句も言わずにさっさと会社を辞める社員も出てきます。
つまり、前述の会社で、全員が電話営業して危機を乗り越えたという事実は、その事実自体もすごいと思いますが、常日頃から
仕事の手順をきちんと定めていた
仕事への取り組み姿勢について教育がなされていた
からこそ、その後の業績回復につなげられたと考えられます。
いざという時に素早く対応するには、平時からの備えが大事。
言われてみれば、当たり前のことですが、実際にはいざという時に慌てて、対応策を考えても、すぐに効果が出ないことも多いです。
会社の躾として
- 社員の意識を整える
- 仕事の流れを整える
- お金の動きを整える
ことは相互に関連しています。
今週末で仕事納めの会社の多いかと思います。2026年のスタートダッシュに結びつけるために、前述の整える対象として、会社は何を優先して取り組んだら良いかを考えましょう。
★なお、社員の意識、仕事の流れ、お金の動きで、何を優先して取り組んだら良いかを第三者の意見も参考にしたい経営者の方は「こちら」をチェックしてみてください。
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会社経営は最終的には「いかに人材を育てられるか」に帰結するが、業績が安定するまでは「人が育たなくても、仕事とお金が回る座組みづくり」に集中しましょう。
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