知恵の和ノート
逆転劇に頼らない経営へ:中小企業が「勝ちパターン」を築くために必要な視点とは?(第599話)
価格ではなく、自社独自の価値で選ばれ、たまたまではなく確実に勝ち切る経営の「勝ちパターン」を築こう。
今年も高校野球の夏の甲子園大会が終わりました。
私は最近ではニュースで結果を見るぐらいですが、子供の頃は朝から夕方までずっと野球中継を見ている家も多かったように思います。
当時は「高校野球って逆転も多くて、プロ野球よりも面白いのでは」と思っていましたが、最近はやや違った考え方を持つようになりました。
プロ野球だと、9回が始まった時点で3点差がついていたら、概ねリードしているチームが勝ちます。一方、高校野球の場合、9回裏で5点差があっても、そこから同点に追いついたり、一気に逆転したりすることもあります。
だから、単純に「面白いなぁ」と感じたり、時には「やはり、最後まであきらめないことが大切だ!」といった教訓を得たりしていました。
しかしながら、「試合に勝つ」という点から考えると、5点差があったら、リードしているチームは、しっかりと勝ち切ることがやはり求められます。また、負けているチームからすれば、終盤までに、できるだけ点差を広げられないことがポイントになります。
この点、高校野球の場合は
・選手も高校生であり、技術的にも精神的にも発展途上にある
・先発・中継ぎ・抑えのように、投手の分業制が確立されていない
・短期決戦なので、その時の勢いが試合にも影響する
結果、奇跡的な逆転ゲームが時折起こります。
つまり、普段の実力以上の力を発揮するケースもあれば、本来の実力を発揮しきれないケースもあるため、見ている方は面白くても、やっている方としては、「どうして、こうなったのか」と思えることが起こる訳です。
もちろん、高校野球の場合は、いわゆる部活の一つという位置づけであり、必ずしも、「試合に勝つ」ことだけがすべてではありません。
一方、プロ野球の場合は、自らの実力を発揮して、チームの勝利に貢献しないと、戦力外通告されて、選手はクビになります。このため、投手でも野手でも、5点差があったら必ず守り切る、終盤までにあまり点差が開かないよう頑張ることが長期間にわたって求められます。
これらのことを会社経営と紐づけて考えると、中小企業の場合は
プロ野球のように投手の分業制は確立されていないけれど、5点差があったら最後まで勝ち切る試合を長期間にわたって続けていく
ことが求められます。
言い換えれば、高校球児がプロの選手たちと同じ土俵に立って、一定の成績を残すことが求められているのです。
この場合、たまたま勝つ、勢いの良い時だけ勝つでは、生き残るのが難しいです。
総合的な戦力としては、どうしても劣ってしまう中、「これなら、どこにも負けない」と常に言えるものがあるかどうか。
それは「価格」ではありません。価格競争になると、経営資源の大小がどうしても影響します。
また、「価値」と言っても、万人向けの価値ではなく、数は少なくても、特定の人にとっては「すごくいいね」と思ってもらえるような価値です。
あるクライアントさんは、長年蓄積された技術とノウハウを使って、魅力的な自社商品を開発され、それまでの下請け中心の仕事からの脱却に成功されました。
また、別のクライアントさんは、差別化が難しいサービスの中で、オリジナルのコンセプトを社員にも浸透させた結果、3年間で売上高を3億円増やされました。
プロ野球で毎年優勝争いしているチームは、いわゆる「勝ちパターン」を持っています。一方、中小企業でも長年事業を続けている会社には「価値パターン」があります。
大逆転勝利は見ている方は面白いのですが、たとえ面白みはなくても、勝てる試合を「勝ちパターン」に持ち込んで確実に勝つことで長期的な勝率は上がります。
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