知恵の和ノート

2015/07/21

日当たり次第で短所は長所になる(第72話)

カテゴリー :意識改革

短所に目を背けて今までの常識を変えないのは成長が止まる会社
短所に目を向けて新しい常識に作り変えるのが成長し続ける会社

日当たり次第で短所は長所になる

「なんだかずいぶん暗いなぁ」

今から19年前、フィリピンに赴任した時のこと。住む家を探すために不動産会社の人といくつか物件を見て回ったのですが、どれも家の中が暗かったのです。

昼間なのに家の中は薄暗い。パッと見の第一印象があまりよくありません。

このことを現地に長く住んでおられる先輩にお話すると、「こっちは暑いからねぇ」つまり、南国フィリピンでは年がら年中暑いので、暑さ対策として日中も日が当たらない場所が好まれるという訳です。

一方で、日本。

マンションでは「日当たりのいい東南の角のお部屋です!」というように日当たりの良さが人気だったりします。しかし、昨今の猛暑を勘案すると、必ずしも日当たりのいい明るい部屋がメリットになるとは限りません。

かくいう我が家もリビングは朝から日中にかけては日がよく当たります。このため、冷房を入れていても窓際に近づくと外からの熱気がムンムン伝わってきます。

暑さ対策として、すだれを下したり、遮熱カーテンを使ったりしています。すると、気がつけば家のリビングも「なんだかずいぶん暗いなぁ」という感じになっていました(笑)。

業界の中にどっぷり浸っていると、なかなか常識から抜け出すことはできません。マンションの事例で言えば、日当たりのいい物件は売れるが、いつも隣りの建物の日陰になっている物件は売れにくいのは常識なのかもしれません。

しかしながら、南国フィリピン並みに猛暑が続く日本においては、日当たりの悪い物件は夏の暑さをしのげるという点では有利であると言えます。

要は、どういう観点から焦点を当てるかが大事です。

そして、焦点の当て方によっては今まで欠点だったものが新しい魅力に変わることもあります。

あるクライアントさんでは少人数でやっているため、一つの案件に対して最初から最後まで一人の社員が担当していました。これが同業の大手企業だと、受付~契約、契約~実行、実行~集金といった具合に複数の社員が関わっています。

社長にお話をお聞きしても、最初のうちは

「ウチは人数が少ないので、なかなかやりたいことができないんですよ」

「説明会をやろうとしても、人がいなくて」

「ベテラン社員ばかりで、高齢化が進んでいる」

と愚痴がいろいろと出ていました。

でも、よくよくヒアリングしてみると、大手企業と違って最初から最後まで同じ担当者が面倒を見ることで、お客さんは非常に安心感を持っていたことが分かったのです。そして、その安心感がサービスを受けたお客さんからの高評価にも、つながっていました。

そこで、そのクライアントさんでは一人の社員がしっかり最後まで担当することを売りにした新しいサービスの立上げを検討されています。

欠点の足元には大きな金塊が埋まっていることがあります。特に外部環境が変わる中、短所が長所に変わることが少なくありません。

クライアントさんの事例で言えば、少人数体制で長年やっていることが、人材がなかなか採用しづらい中でかえって強みになっています。

ぼやいていても、短所は絶対に直りません。

短所を短所のままで終わらせるは会社にとって最大の短所です。

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