成長支援部からの提言

2017/03/07

(第157話)経営理念の表の顔と裏の姿を一日で体験する

カテゴリー :経営理念

経営理念を一部の社員だけが徹底するのは成長が止まる会社
経営理念を全部の社員にも浸透させるのが成長し続ける会社

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この間の日曜日、「52席の至福」という観光列車に乗車しました。

これは昨年から運行を始めた電車で車内でフルコースの食事ができます。最近はこの手の車内で食事ができる観光列車が増えていますが、今回の電車は4両編成のうちの1両がキッチン車両。お弁当ではなく、シェフが作った出来立ての料理を暖かいものは暖かく、冷たいものは冷たい状態で、美しい食器と一緒に楽しむことができます。

利用者にとってはまさに至福の時ですが、これを提供する方はすごくたいへん。狭い車内、しかも時々揺れる中で食事の支度をして、それをきちんと運ぶのはかなり気を使います。それでも、若いスタッフの人たちは笑顔を絶やさず、きびきびと働き、見ていてとても気持ちよい感じ。

池袋駅に着くまでの約2時間は本当にあっという間でした。

さて、当日。

今回の旅行でセットになっているフリーきっぷを使い、足を延ばして三峯神社に行ってきました。そして、その神社からの帰り、我々は直行バスで秩父駅に向かいました。

バスが駅に着いて、下車する際のこと。

料金精算の順番に並んでいると、なにやら前のお客さんと運転手さんがもめています。どうもご年配の女性がバスに乗る際に電子マネーをタッチするのを忘れて、整理券だけ受け取ったらしいのです。

乗車時にタッチしていれば、降りる際も料金箱にタッチして簡単に精算できます。しかし、それをしなかったために、ちょっとややこしいことになっていたという訳です。

運転手さん:「みんな、タッチして乗ってたでしょう!」

お客さん:「・・・。もう一回タッチすればいいでしょうか?」

運転手さん:「ダメです。今タッチしても違う金額だから!!」

降車する人が並んでいるので、運転手さんがとてもイライラしているのがこちらにも伝わってきます。

けれども、バスの場合、乗車時についうっかりタッチを忘れるなんてことはよくある話。特にお年寄りなら戸惑うことだってあります。

実際私もバスに乗る際、地方のバスなので、スイカが使えないと勝手に思い込んでいました。このため、最初は整理券を受取ろうとしていましたが、乗る直前にスイカでもOKと分かったので、慌ててスイカを乗車のセンサーにタッチしたのです(苦笑)。

先の問題、どこから乗ったのかを確かめて、運転手さんがその金額を個別に入力してから精算するか、電子マネーでなければ、現金で支払えばよいだけの話です。

しかも、このバスに乗っていたのはほとんどが始発の三峯神社から。タッチしてようが、してなからろうが大勢には影響ないと思われます。

結局、そのお客さんがちょっと横にずれたため、私は先に精算してバスを降りました。このため、最終的な顛末を私は知りません。

けれども、私より後で降車した家内によると、その運転手さんは、別の男性客に対しても、おつりの現金精算のやり方を巡って怖い顔で叱りつけていたそうです。

実はこのバス会社、「52席の至福」を提供している鉄道会社と同じグループに所属しています。そして、バスの車内にあった新入社員募集の吊皮広告に記載されていたグループのコンセプトは、「でかける人を、ほほえむ人へ」

もちろん、観光列車と路線バスでは払っている料金が違います。

先の観光列車はディナーコースだと1人15,000円。一方の路線バスの運賃は三峯神社-秩父駅だと片道930円。

価格にして10倍以上の開きがあるので、かけている人数も、受けている訓練も違いがあるのは仕方がないという側面はあります。

しかし、グループの経営理念として「でかける人を、ほほえむ人へ」を掲げる以上、やはり納得がいかないものを感じました。

百歩譲って、たとえニコニコ笑顔で対応するのは難しくても、少なくとも周りの乗客が「あの運転手さん、嫌な感じ」と思わないくらいの対応はあってしかるべきです。

乗車した観光列車はやはり「また乗ってみたい」と思わせるものでした。しかし、バスを降りる際、怖い顔で運転手から叱られたお客さんは、同じバスに「また乗ってみたい」とは感じなかったはずです。

会社の経営理念をどこまで社員に浸透させるのか。

特に社員が増えてくると、

そもそも経営理念なんて知らない

一度ぐらい聞いたことはあっても、どういうことかを分かっていない

一応理念は知っているが、具体的な仕事と結びつけていない

という社員が必ず出てきます。

しかし、蟻の一穴ではありませんが、最初は小さな穴でもだんだんと大きくなってやがて組織の崩壊にもつながります。

大手企業でも末端にまで経営理念を浸透させるのは難しいのが現状。だからこそ、そこに中小企業にも大きなチャンスがあります

知恵を絞り、相手の立場に立って一歩踏み込める姿勢を持てれば、「ほほえむ人」を増やすことに会社の大小は関係ありません。

 

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