知恵の和ノート
仕事が進む人・止まる人の違い|返信の「内容×スピード」で考えるコミュニケーション術(第654話)
コミュニケーションの目的は、早く返事をすることではなく、仕事を前に進めること。内容とスピードを整え、相手も自分も動きやすい連絡の仕組みをつくろう。

仕事でメールやLINE、Chatworkなどを使ってやり取りをしていると、「返信は速いけれど、話が噛み合わない」「内容は的確だが、返事が遅くて仕事が進まない」と感じることがあります。
仕事のレスポンスは、単に速ければ良いわけではありません。大切なのは、「返信内容が的確か」と「返信スピードが適切か」という2つの視点です。
この2軸で相手の返信を整理すると、仕事がスムーズに進む人と、やり取りに時間がかかる人の違いが見えてきます。そして、相手のタイプによって連絡方法や期限設定、確認の仕方を変えることで、無駄なやり取りを減らし、仕事の品質を保つこともできます。
今回は、返信を「内容×スピード」の4タイプに分け、それぞれの相手と仕事を円滑に進めるためのコミュニケーションの工夫について考えます。
仕事の返信は「内容×スピード」の2軸で考える
仕事でメールやLINE、Chatworkなどを利用して、連絡を取り合う機会は多いかと思います。
その際、こちらから送った連絡に対する相手の返信を、「内容」と「スピード」の2軸で分類すると、次の4種類に分けることができます。
- 内容:的確 × スピード:速い
- 内容:的確 × スピード:遅い
- 内容:的外れ × スピード:速い
- 内容:的外れ × スピード:遅い
仕事をスムーズに進めるには、単に「返信が速いか遅いか」だけを見るのではなく、「その返信によって次の仕事が前に進むか」という視点が欠かせません。
では、それぞれのタイプについて考えてみましょう。
1.内容が的確で返信も速い人には、普段との違いに注意する
「内容が的確で、返信も速い」。
こういう人とのやり取りはスムーズなので、仕事もはかどります。基本的には、こちらが特別な対応をする必要はありません。
ただし、一つ注意したいのが、「いつもはレスポンスが速いのに、今回はなかなか返信が来ない」というケースです。
普段すぐに返信する人から返事がないのであれば、何か理由がある可能性があります。
例えば、送ったメールが迷惑メールフォルダに入っているのかもしれません。あるいは、先方に何か事情があって、返信できない状態なのかもしれません。
そのような時には、ただ待ち続けるのではなく、別の方法でもう一度連絡してみる。返信がない原因を早めにはっきりさせることが、仕事を止めないためには大切です。
2.内容は的確だが返信が遅い人には、期限管理を徹底する
次は、「内容は的確だが、返信が遅い」タイプです。
このような人とのやり取りでは、期限管理がポイントになります。
例えば、資料などを作って送ってもらう場合には、
- 「9月15日の17時まで」と、こちらから具体的な日時を指定する
- 「いつまでならできそうですか」と確認し、相手自身に期限を決めてもらう
といった方法が有効です。
単に「なるべく早くお願いします」と伝えるだけでは、人によって「早く」の感覚が違います。こちらは明日までと思っていても、相手は来週でも問題ないと思っているかもしれません。
だからこそ、仕事の期限は曖昧にせず、できるだけ日時まで具体的に決めておくことが重要です。
また、返信や提出が遅れる傾向がある相手であれば、前日や当日にリマインドの連絡を入れるのも効果的です。
期限を守ってもらうことを相手任せにするのではなく、こちら側でも仕事が滞らない仕組みを作っておきます。
3.返信は速いが内容が的外れな人には、質問の仕方を変える
意外に対応が難しいのが、「返信は速いけれど、内容が的外れ」というタイプです。
すぐに返事をくれるのはありがたいのですが、
- こちらが送った内容を十分に読まずに返信する
- 質問したことに答えていない
- 曖昧な回答しか返ってこない
という状態では、かえって仕事に時間がかかります。追加で説明しても状況があまり変わらず、不毛なやり取りが続くケースもあります。
結果として、「返信は速いのに仕事は進まない」という状態になってしまうのです。
このような相手には、こちらの伝え方そのものを工夫する必要があります。
私の場合は、
- 質問事項と回答欄をセットにしたフォームを作る
- 依頼する背景や目的まで説明する
- 追加のやり取りが増えるとかえって時間がかかることを伝える
といった方法を取っています。
特に、スピードを重視する相手に対しては、「確認のやり取りが何度も発生すると、結果的にそちらにもご迷惑をかけてしまいます」と伝えることもあります。
返信速度を求めるのではなく、「一度のやり取りで仕事が前に進む返信」を増やすことが大切です。
4.返信が遅く内容も的外れな人には、連絡方法そのものを変える
最も対応が難しいのが、「返信が遅いうえに、内容も的外れ」というタイプです。
このケースでは、前述した
- 期限を具体的に設定する
- 質問内容を明確にする
- 背景や目的を説明する
といった対応に加えて、さらに工夫が必要になります。
例えば、
- 1週間前や3日前にもリマインドする
- メールやチャットだけで済ませず、電話で確認する
- 必要に応じてオンラインで打ち合わせをする
といった対応です。
文章で何度やり取りしても話が進まない場合、連絡手段そのものを変えた方が早いこともあります。
そして、このような相手に出会った時に、もう一つ意識したいことがあります。
それは、「相手に腹を立て過ぎない」ということです。
もちろん、仕事が思うように進まなければ、イライラすることもあります。しかし、相手を変えることは簡単ではありません。それなら、「この人と上手く仕事を進めるには、どうすれば良いか」を考える方が建設的です。
これも一つの修業だと割り切り、手を変え、品を変えて試してみる。そうすれば、難しい相手とのやり取りも、自分のコミュニケーションスキルを高める機会になります。
連絡手段は相手に合わせても、仕事の品質まで合わせない
メール、LINE、Chatworkなど、仕事で使われる連絡手段は増えています。そして、人によって、よく使うツールや得意とする連絡方法も違います。
そのため、「相手にとって最も連絡を取りやすい方法は何か」を考えることは必要です。
ただし、ここで気をつけたいのが、相手に合わせ過ぎることです。
相手に合わせることで自分の仕事が滞ったり、効率が落ちたりして、結果として仕事の質まで下がってしまっては本末転倒です。
LINE・メール・共有フォルダを仕事の内容によって使い分ける
最近は、経営者でも「LINEでやり取りしたい」という方が増えています。確かに、LINEはちょっとした連絡には便利です。
ただ、私の場合、仕事柄データのやり取りをすることも多いため、
・アポイントの調整や簡単な連絡はLINEでもOK
・重要な内容やデータのやり取りはメールを使う
・必要に応じて共有フォルダを利用する
という使い分けを基本にしています。
何でも相手の希望するツールに合わせるのではなく、「その仕事にとって、どの連絡手段が適しているか」を考えることが重要です。
連絡が取れることと、仕事が正確に進むことは、必ずしも同じではありません。
仕事のコミュニケーションで最優先すべきは「仕事が前に進むこと」
仕事におけるコミュニケーションでは、「返信が速い人=仕事ができる人」と単純に判断することはできません。
返信が速くても内容が的外れなら、確認のやり取りが増えます。一方で、内容が的確でも返信が極端に遅ければ、仕事全体の進行が止まってしまいます。
だからこそ、
- 「返信の内容は的確か」
- 「返信のスピードは適切か」
という2つの視点で相手を見ながら、自分の伝え方や連絡方法も変えていく必要があります。
コミュニケーションは、相互の理解があってこそ、初めて充実したものになります。
自分のやり方だけを押し通すのでもなく、相手のやり方に何でも合わせるのでもない。お互いの仕事が前に進み、結果として仕事の品質が高まる方法を探す。
それが、仕事におけるコミュニケーションの基本ではないでしょうか。
「働く」という言葉を「傍(はた)を楽(らく)にする」と捉えるなら、自分のやり方によって相手の仕事を余計に増やしていないか、自分自身の仕事も滞らせていないか。
時には、そんな視点から、自分の返信や連絡の仕方を振り返ってみましょう。
★関連する記事は「事前の準備と取り決めで、コミュニケーションを円滑に進める」

「使うツールに振り回されて、ストレスを溜め込むのは成長が止まる会社、使うツールを主体的に決めて、ストレスを減らすのが成長し続ける会社」です。
ヒーズでは、弊社の日頃の活動内容や基本的な考え方をご理解いただくために、専門コラム「知恵の和ノート」を毎週1回更新しており、その内容等を無料メールマガジンとして、お届けしています。
上記のフォームにご登録いただければ、最新発行分より弊社のメールマガジンをお送りさせていただきます。お気軽にご登録いただければ幸いです。