知恵の和ノート

2026/09/15

仕事が進む人・止まる人の違い|返信の「内容×スピード」で考えるコミュニケーション術(第654話)

カテゴリー :コミュニケーション

コミュニケーションの目的は、早く返事をすることではなく、仕事を前に進めること。内容とスピードを整え、相手も自分も動きやすい連絡の仕組みをつくろう。

返信が遅い・話が噛み合わない相手とどう仕事する?経営者のコミュニケーション術

仕事でメールやLINE、Chatworkなどを使ってやり取りをしていると、「返信は速いけれど、話が噛み合わない」「内容は的確だが、返事が遅くて仕事が進まない」と感じることがあります。

仕事のレスポンスは、単に速ければ良いわけではありません。大切なのは、「返信内容が的確か」と「返信スピードが適切か」という2つの視点です。

 

この2軸で相手の返信を整理すると、仕事がスムーズに進む人と、やり取りに時間がかかる人の違いが見えてきます。そして、相手のタイプによって連絡方法や期限設定、確認の仕方を変えることで、無駄なやり取りを減らし、仕事の品質を保つこともできます。

今回は、返信を「内容×スピード」の4タイプに分け、それぞれの相手と仕事を円滑に進めるためのコミュニケーションの工夫について考えます。

 

仕事の返信は「内容×スピード」の2軸で考える

仕事でメールやLINE、Chatworkなどを利用して、連絡を取り合う機会は多いかと思います。

その際、こちらから送った連絡に対する相手の返信を、「内容」と「スピード」の2軸で分類すると、次の4種類に分けることができます。

  1. 内容:的確 × スピード:速い
  2. 内容:的確 × スピード:遅い
  3. 内容:的外れ × スピード:速い
  4. 内容:的外れ × スピード:遅い

 

仕事をスムーズに進めるには、単に「返信が速いか遅いか」だけを見るのではなく、「その返信によって次の仕事が前に進むか」という視点が欠かせません。

では、それぞれのタイプについて考えてみましょう。

 

1.内容が的確で返信も速い人には、普段との違いに注意する

「内容が的確で、返信も速い」。

こういう人とのやり取りはスムーズなので、仕事もはかどります。基本的には、こちらが特別な対応をする必要はありません。

 

ただし、一つ注意したいのが、「いつもはレスポンスが速いのに、今回はなかなか返信が来ない」というケースです。

普段すぐに返信する人から返事がないのであれば、何か理由がある可能性があります。

例えば、送ったメールが迷惑メールフォルダに入っているのかもしれません。あるいは、先方に何か事情があって、返信できない状態なのかもしれません。

そのような時には、ただ待ち続けるのではなく、別の方法でもう一度連絡してみる。返信がない原因を早めにはっきりさせることが、仕事を止めないためには大切です。

 

2.内容は的確だが返信が遅い人には、期限管理を徹底する

次は、「内容は的確だが、返信が遅い」タイプです。

このような人とのやり取りでは、期限管理がポイントになります。

例えば、資料などを作って送ってもらう場合には、

  • 「9月15日の17時まで」と、こちらから具体的な日時を指定する
  • 「いつまでならできそうですか」と確認し、相手自身に期限を決めてもらう

といった方法が有効です。

 

単に「なるべく早くお願いします」と伝えるだけでは、人によって「早く」の感覚が違います。こちらは明日までと思っていても、相手は来週でも問題ないと思っているかもしれません。

だからこそ、仕事の期限は曖昧にせず、できるだけ日時まで具体的に決めておくことが重要です。

 

また、返信や提出が遅れる傾向がある相手であれば、前日や当日にリマインドの連絡を入れるのも効果的です。

期限を守ってもらうことを相手任せにするのではなく、こちら側でも仕事が滞らない仕組みを作っておきます。

 

3.返信は速いが内容が的外れな人には、質問の仕方を変える

意外に対応が難しいのが、「返信は速いけれど、内容が的外れ」というタイプです。

すぐに返事をくれるのはありがたいのですが、

  • こちらが送った内容を十分に読まずに返信する
  • 質問したことに答えていない
  • 曖昧な回答しか返ってこない

という状態では、かえって仕事に時間がかかります。追加で説明しても状況があまり変わらず、不毛なやり取りが続くケースもあります。

 

結果として、「返信は速いのに仕事は進まない」という状態になってしまうのです。

このような相手には、こちらの伝え方そのものを工夫する必要があります。

私の場合は、

  • 質問事項と回答欄をセットにしたフォームを作る
  • 依頼する背景や目的まで説明する
  • 追加のやり取りが増えるとかえって時間がかかることを伝える

といった方法を取っています。

 

特に、スピードを重視する相手に対しては、「確認のやり取りが何度も発生すると、結果的にそちらにもご迷惑をかけてしまいます」と伝えることもあります。

返信速度を求めるのではなく、「一度のやり取りで仕事が前に進む返信」を増やすことが大切です。

 

4.返信が遅く内容も的外れな人には、連絡方法そのものを変える

最も対応が難しいのが、「返信が遅いうえに、内容も的外れ」というタイプです。

このケースでは、前述した

  • 期限を具体的に設定する
  • 質問内容を明確にする
  • 背景や目的を説明する

といった対応に加えて、さらに工夫が必要になります。

 

例えば、

  • 1週間前や3日前にもリマインドする
  • メールやチャットだけで済ませず、電話で確認する
  • 必要に応じてオンラインで打ち合わせをする

といった対応です。

文章で何度やり取りしても話が進まない場合、連絡手段そのものを変えた方が早いこともあります。

 

そして、このような相手に出会った時に、もう一つ意識したいことがあります。

それは、「相手に腹を立て過ぎない」ということです。

もちろん、仕事が思うように進まなければ、イライラすることもあります。しかし、相手を変えることは簡単ではありません。それなら、「この人と上手く仕事を進めるには、どうすれば良いか」を考える方が建設的です。

これも一つの修業だと割り切り、手を変え、品を変えて試してみる。そうすれば、難しい相手とのやり取りも、自分のコミュニケーションスキルを高める機会になります。

 

連絡手段は相手に合わせても、仕事の品質まで合わせない

メール、LINE、Chatworkなど、仕事で使われる連絡手段は増えています。そして、人によって、よく使うツールや得意とする連絡方法も違います。

そのため、「相手にとって最も連絡を取りやすい方法は何か」を考えることは必要です。

 

ただし、ここで気をつけたいのが、相手に合わせ過ぎることです。

相手に合わせることで自分の仕事が滞ったり、効率が落ちたりして、結果として仕事の質まで下がってしまっては本末転倒です。

 

LINE・メール・共有フォルダを仕事の内容によって使い分ける

最近は、経営者でも「LINEでやり取りしたい」という方が増えています。確かに、LINEはちょっとした連絡には便利です。

ただ、私の場合、仕事柄データのやり取りをすることも多いため、

・アポイントの調整や簡単な連絡はLINEでもOK

・重要な内容やデータのやり取りはメールを使う

・必要に応じて共有フォルダを利用する

という使い分けを基本にしています。

 

何でも相手の希望するツールに合わせるのではなく、「その仕事にとって、どの連絡手段が適しているか」を考えることが重要です。

連絡が取れることと、仕事が正確に進むことは、必ずしも同じではありません。

 

仕事のコミュニケーションで最優先すべきは「仕事が前に進むこと」

仕事におけるコミュニケーションでは、「返信が速い人=仕事ができる人」と単純に判断することはできません。

返信が速くても内容が的外れなら、確認のやり取りが増えます。一方で、内容が的確でも返信が極端に遅ければ、仕事全体の進行が止まってしまいます。

 

だからこそ、

  1. 「返信の内容は的確か」
  2. 「返信のスピードは適切か」

という2つの視点で相手を見ながら、自分の伝え方や連絡方法も変えていく必要があります。

 

コミュニケーションは、相互の理解があってこそ、初めて充実したものになります。

自分のやり方だけを押し通すのでもなく、相手のやり方に何でも合わせるのでもない。お互いの仕事が前に進み、結果として仕事の品質が高まる方法を探す

それが、仕事におけるコミュニケーションの基本ではないでしょうか。

 

「働く」という言葉を「傍(はた)を楽(らく)にする」と捉えるなら、自分のやり方によって相手の仕事を余計に増やしていないか、自分自身の仕事も滞らせていないか。

時には、そんな視点から、自分の返信や連絡の仕方を振り返ってみましょう。

 

★関連する記事は「事前の準備と取り決めで、コミュニケーションを円滑に進める」

事前の準備と取り決めで、コミュニケーションを円滑に進める

「使うツールに振り回されて、ストレスを溜め込むのは成長が止まる会社、使うツールを主体的に決めて、ストレスを減らすのが成長し続ける会社」です。

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